
リニューアルを考えた背景を教えてください。
佐藤さんうちはエンジニアと営業が半々くらいの構成で、業務内容も働き方もまったく違うんですね。でも、これまでのオフィスは「全員に同じ環境を与える」ことが前提で、誰にとってもベストじゃない。
せっかく導入したフリーアドレスも、気づけば皆が“いつもの席”に戻ってしまう。Web会議中も「隣の声が気になる」「話しづらい」という声が多くて…。その時、「この会社に合った“働き方の空間”を、もっとちゃんと考える必要がある」と思ったんです。
どんな点を重視してリニューアルを進めましたか?
佐藤さん「選べる働き方」がキーワードでした。一人で集中したい日もあれば、チームで雑談しながらアイデアを出したい日もある。だから、
・集中ブース(パーテーション付き)
・オープンデスクエリア
・Web会議対応の小型個室
この3つをベースに、エリアごとの使い分けができるようにしました。あとは、“空間にルールを持たせる”のがポイントでした。たとえば、「このエリアでは声を出してOK」「ここは私語NG」など、空間ごとに目的が明確なので、使い方に戸惑いがなくなりましたね。

実際に使ってみて、変化は感じられましたか?
佐藤さんはい、かなりあります。まず一番大きいのは、朝来た時に“どこに座ろう?”と考えることがポジティブな行動になったこと。前は“仕方なく”同じ席に座っていた人も、今は「今日はMTGが多いからWebブースにしよう」とか「集中したいから奥の席」と、自分で選んでる。
あと、自然と社内コミュニケーションが増えましたね。フリーアドレスが“出会い”を生むって言われてますけど、席を変えることに意味を持たせたことで、実際に小さな会話が生まれるようになった。「働くって“空間の使い方”にも左右されるんだな」と実感しています。
費用や工程面の不安はありましたか?
佐藤さん「正直ありました。でも、仮想のパース(イメージ図)をもとに事前に“使い方の想像”ができたので、社員も納得しやすかったですね。実は、導入前にパースを全員に見せて、エリア名も社内アンケートで決めたんです(笑)。

最後に、これからオフィスを変えようと思っている企業にメッセージを。
佐藤さん「スペースを変える=はたらき方を再設計すること」だと思います。うちのようにリモートも対面もある会社は、特にその重要性を感じると思います。丁寧にヒアリングして要望をくみ取ってくれた上で、空間の使い方までわかりやすく提案してもらえたのがよかったですね。
図やイメージがあることで「自分たちにもできそう」と感じられましたし、スタッフにも伝えやすかったです。